乃木坂46カップリング曲解説
乃木坂46 1stアルバム発売記念「【1st~10thシングル】カップリング人気投票〜あなたの1票でアルバム収録曲が決まる!〜」 | 乃木坂46公式サイト
より
解説:西廣智一
ぐるぐるカーテン収録曲
左胸の勇気
のちにアンダーメンバーと呼ばれるようになる、非選抜メンバーによる最初の楽曲。ギターのメインフレーズと力強いビート、聴き手の背中を押す前向きな歌詞が特徴。ライブで披露される機会も多いが、意外にもMV未制作。
白い雲にのって
小気味よいリズムと牧歌的なサウンド&歌詞が特徴のポップチューン。曲中盤に挿入されるジャジーなピアノフレーズがよいアクセントとなっており、デビュー間もない彼女たちの初々しさと相まって絶妙なハーモニーを生み出している。
乃木坂の詩
ライブのエンディングで必ず歌われる、乃木坂46のテーマソングと呼ぶにふさわしい1曲。80年代初頭のニューウェイブポップ的色合いが散りばめられた独特な曲調で、サビでテンポが倍になるアレンジも印象的。聴いているだけで一緒に拳を上げたくなるほど、リスナーの高揚感を煽る。
会いたかったかもしれない
公式ライバルであるAKB48のメジャーデビュー曲にして代表曲の1つ「会いたかった」の異色カバー。歌詞や大まかな楽器構成、フレーズはそのままに、コード進行とメロディのみをマイナー調に変えるという大胆な作品。原曲を知る者には最初こそ違和感が残るものの、聴き続けると意外とクセになる。
おいでシャンプー!収録曲
心の薬
1stシングルの作風の延長線上にある1曲。アップテンポの楽曲ながらも、バックでうっすらと鳴っているアコースティックギター、サビで聴かせるハーモニーなどによってどことなくゆったりとしたイメージを聴き手に与えてくれる。ライブでは生田絵梨花のピアノ伴奏で歌われることも。
ハウス!
今やライブの盛り上がりには欠かせない人気ナンバー。「好き! 好き!」といった掛け声を入れやすい構成や、PPPHを打ちやすいAメロなど、アイドルソングのライブに必要不可欠な要素がたっぷり詰まっているのも興味深い。
偶然を言い訳にして
白石麻衣、高山一実、橋本奈々未、松村沙友理が歌う、乃木坂46史上初のユニット曲。キラキラしたシンセとリズミカルなギターで構成されたバックトラックにまだまだ初々しさが残る歌声が乗るというアンバランスさが、唯一無二の世界を作り上げている。
水玉模様
初ユニット曲「偶然を言い訳にして」に続いては、生駒里奈による乃木坂46初のソロナンバー。原田知世が主演した映画「時をかける少女」の世界観や同タイトルの主題歌を彷彿とさせる楽曲の世界観は、デビュー当時の生駒だからこそ表現できたと言える、奇跡の1曲。
狼に口笛を
アンダーメンバーによるロックテイストの楽曲。スローなオープニングから徐々に盛り上がっていくアレンジ、Aメロが一度しか登場しない曲構成など独自性の強い作風となっている。選抜メンバーが歌うフレンチポップ調の表題曲との対比も面白い。
走れBicycle!収録曲
せっかちなかたつむり
オシャレな雰囲気を持ちながらも、かわいらしい曲調にけだるい歌声が乗るという乃木坂46の新境地的ミディアムナンバー。イントロ&アウトロに入る「Hey, Hehey〜」のコーラスは、一度聴いたら耳から離れないくらいに印象的。
海流の島よ
安藤美雲(卒業生)、川後陽菜、齋藤飛鳥、中元日芽香、畠中清羅、樋口日奈、和田まあやが歌唱するユニット曲。タイトルのとおり、南国の海をイメージさせるキラキラしたサウンドと年少メンバー中心による歌声が、聴き手の心を癒してくれる。
涙がまだ悲しみだった頃
先頃グループを卒業した初期メンバー伊藤寧々をセンターに据えた、アンダーメンバーによる青春ソング。イントロで奏でられるピアノの音色と曲全体が持つ切なさ、儚さとメンバーのまっすぐが歌声が相まって、リスナーの涙腺を刺激する。
制服のマネキン収録曲
指望遠鏡
アニメ「マギ」のエンディングテーマとしてオンエアされた、疾走感あふれるポップロック。本シングルでは表題曲やこの曲のみならず、過去3作にはなかったテイストの楽曲が増えており、結果としてライブにおいて音楽性の幅を広げることとなった。
渋谷ブルース
白石麻衣&高山一実が本気の歌で臨んだ、アコギ1本をバックに歌唱するフォークソング。2人の声の相性は抜群で、ところどころで聴けるハーモニーは絶品。この曲をきっかけに「WHITE HIGH」というユニット名も誕生し、ライブでは橋本奈々未&深川麻衣がギター演奏で参加することに。
やさしさなら間に合ってる
どことなく懐かしさを感じさせる、ムード歌謡曲 / ニューミュージック調のミディアムナンバー。高山一実&能條愛未の芯のある歌声が存分に活かされており、シンガーとして、そしてグループとしての成長が感じられる1曲と言える。
君の名は希望
シャキイズム
「走れ!Bicycle」に続いてハウス食品「メガシャキ」CMソングに起用された、ライブでも人気の1曲。イントロからデジタル色の濃さを感じさせるも曲全体としては独特の緩さが漂っており、その絶妙なバランス感もこの時期の乃木坂46の魅力と言えるだろう。
サイコキネシスの可能性
秋元真夏、伊藤寧々、井上小百合、桜井玲香、中田花奈、永島聖羅、西野七瀬、若月佑美によるアップテンポのポップソング。この時期から単なるポップチューンではなく、ライブを想定した作風の楽曲が増えており、実際同年夏に開催された「真夏の全国ツアー2013」での蛍光色の手袋を用いたパフォーマンスも記憶に新しい。
ロマンティックいか焼き
「君の名は希望」選抜メンバーが歌唱する、キュートで朗らかなポップソング。掛け合いをフィーチャーしたAメロ含め、ライブではファンとのコミュニケーションに必要不可欠な楽曲だ。「ロマンティック」と「いか焼き」という一見相反するものが並んだタイトルもインパクト大。
ガールズルール
世界で一番 孤独なLover
「制服のマネキン」の続編的なサウンドながらも、80's調だった前者よりもモダンなテイストが強まった4つ打ちダンスナンバー。しかしながら安易にEDMを導入しないあたりからは、制作陣の乃木坂46サウンドに対する強いこだわりを感じ取ることができる。
人間という楽器
ラテンやサンバのお祭り要素を前面に打ち出したパーティソング。まさに本作リリース後に実施された「真夏の全国ツアー2013」のために制作されたと言っても過言ではない1曲で、聴いてるだけで自然と体が動き出すような高揚感が感じられる。
コウモリよ
白石麻衣、中元日芽香、能條愛未、若月佑美という強い声の持ち主4人による、乃木坂46史上初のメタルチューン。ネオクラシカル調のイントロや、ソニー時代のX(現X JAPAN)並みに暴走気味にバスドラを踏むアレンジには、作者の遊び心が見え隠れする。
扇風機
アンダーメンバー歌唱による、レゲエの要素を取り入れたミディアムチューン。弾けた感の強い「これぞアイドルの王道サマーソング」な表題曲とは方向性が異なるが、こちらも乃木坂46ならではの“夏うた”と言える。MVのイメージもあるが、夏の夕立のあとに聴いてみたい1曲。
バレッタ
月の大きさ
メンバーも大好きな人気アニメ「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のオープニングテーマとして、半年にわたりオンエアされたアップチューン。スパイ映画のサウンドトラックのような緊張感あふれるサウンド&アレンジが、曲にメリハリを付けている。
やさしさとは
生田絵梨花、中元日芽香、西野七瀬、能條愛未、橋本奈々未、松村沙友理、若月佑美によるユニット曲。ミディアムテンポながらも小気味よいリズムと、哀愁漂うピアノ&ギターサウンドが印象的。「私のために 誰かのために」とはひと味異なる魅力が味わえる。
私のために 誰かのために
「君の名は希望」と同じ作家陣により制作された、ピアノを軸にしたメロウなミディアムナンバー。衛藤美彩、川村真洋、桜井玲香、白石麻衣、高山一実と歌唱力に定評のあるメンバーが、透明感あるボーカルワークを聴かせてくれる。
そんなバカな…
コミカルかつパーティ感の強いMVの影響もあるかもしれないが、聴いていてなんとなくクスッとしてしまう1曲。明るいアイドルらしさと、ある一線を超えた“おバカ”っぽさが同居した曲調&歌唱は、ある種乃木坂46の新境地と言えるかも。
気づいたら片想い収録曲
ロマンスのスタート
「シャキイズム」に続いて、現在もハウス食品「メガシャキ」CMソングとしてオンエア中のアッパーチューン。曲のテンポ感に相反して、優雅さを醸し出すストリングスのフレーズとかわいらしい歌声が印象的。
ダンケシェーン
曲調はマイナーキーの歌謡曲テイストだが、曲中に挿入される合いの手によってどこかコミカルさを感じさせる異色作。生田絵梨花を筆頭に、生駒里奈、桜井玲香、西野七瀬、深川麻衣、松村沙友理、若月佑美、堀未央奈が真剣さ半分、おふざけ半分で挑むパフォーマンス込みで必聴&必見。
吐息のメソッド
リズミカルなピアノとファンキーなリズム、透明感あふれるハーモニーが融合することで生まれる“これぞ乃木坂46”な世界観はさすがの一言。自分たちの持ち味が最大限に発揮された極上のポップソングだ。
孤独兄弟
白石麻衣&橋本奈々未によるユニット曲は、この2人から想像できる“大人の女性”的イメージとは異なる、勇ましさすら感じさせる歌謡ロックナンバー。彼女たちにとっては新境地的な楽曲かもしれないが、ストレートな歌声は曲のテイストに妙にハマっている。
生まれたままで
ズッシリとしたビートとクールなスライドギター、華やかなブラスサウンドがが印象的な、ミドルテンポのロックチューン。この曲を引っさげて初挑戦したアンダーライブでの経験が、その後の彼女たちに大きな自信を与えることになり、そういう意味でもターニングポイントの1曲と言える。
夏のFree&Easy収録曲
何もできずにそばにいる
クラシカルなピアノフレーズから始まるものの、軸になるのはザクザク刻まれるギターが耳に残るバンドサウンド。「夏のFree&Easy」と同じメンバーで歌われているものの、表題曲で表現される“イマドキの10代女子”とは異なり、こちらでは“従来の乃木坂らしさ”がより純度を高めた形でアピールされている。
僕が行かなきゃ誰が行くんだ?
6thシングル収録曲「他の星から」を歌唱するメンバー7名が再集結。前作でのエレクトロな要素は残しつつも、若干ロックテイストを強めたことで、よりポジティブな雰囲気が全体を包み込む結果となった。
その先の出口
9thシングル選抜メンバーのうち、松井玲奈を含む年長組9名で歌われるユニット曲。「乃木坂史上もっとも難易度の高いダンス」が話題となったが、楽曲自体はシンセのリフが印象的な90's J-POPテイストのダンスナンバー。
無口なライオン
9thシングル選抜メンバー中「その先の出口」に非参加の年少組8名が歌唱。西野七瀬と若月佑美のキスシーンが大反響を呼んだMVの印象が強いものの、楽曲は“これぞ乃木坂46”な哀愁味あふれるメロウチューン。MVの世界観と相まって、10代の儚さすら感じさせる。
ここにいる理由
ここ数作、挑戦的な楽曲が続いたアンダーメンバー歌唱曲だが、ここでも過去にないタイプのエレクトロ+ロックナンバーに挑んでいる。一聴して難易度の高そうな楽曲だが、ダンス含めて難なくこなすあたりに今のアンダーメンバーの充実感が表出している。
何度目の青空か?収録曲
遠回りの愛情
“枯れた”感のある大人びたテイストのスローバラード。同じバラードでも、デビューシングルで透明感を前面に打ち出した「失いたくないから」から3年近くを経たことで、メンバーが表現者としても大きく成長していることを伺わせる仕上がりだ。
Tender days
テイラー・スウィフト以降のフォークやカントリーの要素を前面に打ち出した異色作。学生運動やジョーン・バエズなど60年代を彷彿とさせるキーワードと、メールやダウンロードなど現代的なワードが並列する歌詞も興味深い。
転がった鐘を鳴らせ!
従来の乃木坂46のイメージにはなかった、スカパンクのテイストを導入したアップチューン。結成から3年を経てたどり着いたこの曲では、初期の“私立の女子高”的イメージを払拭するようなタフさが余すところなく表現されている。
私、起きる。
生田絵梨花をセンターに、現役高校生メンバーのみで構成されたユニットによるテクノポップナンバー。若年層メンバーによるストレートな歌声と、常習性のある打ち込みサウンドの相性は絶妙。ファンタジー性の強いMVと併せて楽しみたい。
あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
アンダーメンバーの歌唱による、ピアノハウス調のミディアムナンバー。前作「ここにいる理由」での成功や6〜7月に実施されたアンダーライブで得た自信が、楽曲の仕上がりにもよい方向に作用。もはや「選抜から漏れたメンバー」とは呼ばせないだけの力強さと説得力すら感じられる。